【塾講師が解説】2026年度入試・関西私立中学 出典作家ランキング|早見和真・稲垣栄洋・齋藤孝・高田郁・俵万智

2026年度入試、関西の私立中学の問題を集計してみると、同じ作家の名前が、何度も出てきます。

こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。

今日は、少し毛色を変えて。2026年度入試(関西の私立中学)で、よく出典に使われた作家をご紹介します。最新の入試傾向として、ぜひ知っておいてください。読んでおくと、本番で「あ、この文体、読んだことある」となるかもしれません。

なぜ「よく出る作家」を知っておくといいのか

入試の国語は、初めて読む文章で勝負します。でも、まったく初対面なのと、**「この作家、前に読んだことがある」**のとでは、読むスピードがまるで違います。

文体のクセ、よく使う言葉、話の展開のしかた。一度触れたことのある作家の文章は、頭に入りやすいのです。だから、よく出る作家を知り、その作品にあらかじめ触れておくことには、ちゃんと意味があります。

出典の多い作家たち

2026年度入試の問題を集計した中で、特によく見かける作家をご紹介します(学校数は目安です)。

早見和真(11校)

もっとも多かったのが、早見和真さんです。中でも『問題。以下の文章を読んで、家族の幸せの形を答えなさい。』という作品が、なんと10校で出典に使われていました。もう1校は『アルプス席の母』からの出題でした。

前者は、タイトルからしてもう「入試っぽい」ですよね。家族というテーマは、物語文の頻出テーマの記事でもお伝えした通り、中学受験でとても人気のあるテーマです。親子の関係、きょうだいの思い、すれちがいと理解——ここに強く描かれている作品は、出題者にとって「使いたくなる」文章なのだと思います。

稲垣栄洋(7校)

植物学・農学が専門の研究者で、植物や生き物の生き方を、やさしい言葉で語るエッセイを数多く書かれています。説明文・随筆として出題されることが多い作家です。

「雑草はなぜ、踏まれても立ち上がるのか」というような、身近な生き物から、人間の生き方につながる話を展開するのが特徴。説明文が苦手な子でも、内容が身近で読みやすいことが多いです。

齋藤孝(6校)

教育学の専門家で、読み方・話し方・考え方についての本を数多く書かれています。子ども向けにやさしく書かれた文章が多く、説明文・論説文の入門として読みやすい作家です。

このブログで大切にしている「なんとなくをやめて、根拠を見つける」という考え方とも、通じるものがあります。

高田郁(6校)

時代小説(歴史を舞台にした物語)の作家です。代表作は『みをつくし料理帖』シリーズ。江戸時代を舞台に、料理や人との関わりを通して成長していく主人公の姿が描かれます。

登場人物の気持ちの動きが丁寧に描かれているのが特徴。時代小説特有の言葉づかいに、少し慣れておくと安心です。2026年度入試は「星の教室」「ふるさと銀河線」からの出典でした。

俵万智(6校)

歌人(短歌を作る人)です。代表作『サラダ記念日』は、多くの方が耳にしたことがあるのではないでしょうか。

短歌そのものが出題されることもあれば、言葉についてのエッセイが出典になることもあります。「言葉を選ぶ」ということについて書かれた文章は、語彙力の記事でお伝えしてきた内容とも重なります。

2026年度入試は「生きる言葉」からの出典でした。

天川栄人(6校)

僕たちの卒業写真』『私は食べるのが下手』などの作品で出題されています。

同じく6校で出題されている俵万智さんと並んで、今年よく読まれた作家のひとりです。

どう活用すればいいのか

ここまで読んで、「全部読ませなきゃ」と思う必要はありません。おすすめの使い方は2つです。

①図書館で、まず1冊借りてみる

5人のうち、お子さんの興味に近そうな作家をひとつ選んで、まず1冊無理に全部そろえる必要はありません。

②「作家買い」の練習になる

1冊読んで気に入ったら、同じ作家の別の作品を読んでみる。これは、実際の入試対策としても理にかなっています。同じ作家の文章に何度も触れることで、その人の文体に慣れることができるからです。

「その学校で出た作家」を知るには

このランキングは全体の傾向ですが、志望校で実際に出た作家を知りたい場合は、過去問(赤本など)の出典一覧を見るのがいちばん確実です。

過去問記事でお伝えした通り、その学校のクセを知るのが過去問の目的でした。出典作家も、そのクセのひとつです。3〜5年分の過去問を見返して、もし「同じテーマが何度も出ている」と気づいたら、それはその学校からのヒントかもしれません。

家庭では「この人の本、読んでみる?」

家庭でできることは、シンプルです。

「入試でよく出る作家さんがいるらしいで。読んでみる?」

「入試に出るから読む」だと、少し義務っぽく聞こえてしまいます。でも、きっかけとして伝えるのは効果的です。実際に読んでみて「おもしろい」と思えたら、それはもう勉強という感覚を超えて、読書の楽しみになります。

まとめ

  1. よく出る作家を知っておくと、本番で「読んだことある文体」に出会える可能性がある
  2. 2026年度入試・関西私立中学でよく見る作家——早見和真・稲垣栄洋・齋藤孝・高田郁・俵万智・天川栄人
  3. 無理に全部読まず、興味の近い1冊から
  4. 同じ作家の別作品を読む「作家買い」は、文体に慣れる良い練習
  5. 志望校ごとの出典は、過去問(赤本)の出典一覧で確認するのが確実

まずは図書館で、この中から1冊。お子さんの気になるものを手に取ってみてください。

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