【塾講師が解説】筆者の主張は”文末”でわかる|「〜のである」「〜べきだ」を探せ

筆者の主張を探すとき、文の中身を読まなくても、一目でわかる方法があります。見るのは、文末です。

こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。

「本文を読まなくていいシリーズ」の番外編です。今日は、文末の形だけで、筆者の主張を見つける方法をお伝えします。

筆者が「これが言いたい」というとき、文末が変わる

説明文の基本で、「筆者が言いたいことは、たいてい一つだけ」とお伝えしました。では、その”言いたいこと”は、どんな形で書かれているのでしょうか。

実は、筆者が本気で主張しているとき、文末には決まった型があります。

主張を示す文末、3つの型

型①「〜のである」

大切なのは、結果ではなく過程なのである

「〜だ」「〜である」より、さらに強い言い切り方です。筆者が念を押しているときに使われます。「〜のである」を見つけたら、そこが筆者のいちばん言いたいところである可能性が高いです。

型②「〜すべきだ」「〜べきである」

私たちは、もっと自然を大切にするべきだ

これは、筆者の意見・提案そのものです。「〜べき」は、こうしたほうがいい、こうあるべきだという、筆者の価値観がそのまま出る言葉。説明文・論説文で、いちばんわかりやすい”主張の形”のひとつです。

型③「〜しなければならない」「〜する必要がある」

私たちは、この問題に向き合わなければならない

強い義務・必要性を示す形です。ここまで言い切っているということは、筆者が本気で伝えたいことだと考えて、まず間違いありません。

なぜ、これが大切なのか

理由は単純です。ただの説明と、主張は、言葉の強さが違うからです。

  • 「〜ということがある」……ただの事実の説明
  • 「〜かもしれない」……推測
  • 「〜のである」「〜べきだ」「〜なければならない」……筆者の意志がこもった言い切り

文末が強く言い切られている文は、筆者が「ここだけは伝えたい」と力を込めて書いた文です。だから、内容を読む前でも、文末を見るだけで、大事な文かどうかの見当がつくのです。

探し方:段落の最後を、まず見る

実践的な探し方をお伝えします。

各段落の、最後の一文の文末に注目してください。

段落の役割の記事でお伝えした通り、まとめ・主張の段落は、文章の終わりのほうにあることが多いです。そして、その段落の最後の一文で、筆者は言い切ります。

「〜のである。」「〜べきだ。」「〜なければならない。」——こういう文末で終わる段落があれば、そこに丸をつけてください。それが、文章の中でも特に重要な一文です。

「たしかに〜しかし」とセットで使うと最強

以前、逆接の記事で「たしかに〜。しかし〜。」の後ろに筆者の主張がある、とお伝えしました。

「しかし」の後ろの文を見つけて、その文末が「〜のである」「〜べきだ」なら、そこはほぼ確実に筆者の主張です。

2つの目印が同時にある場所——それが、その文章でいちばん大事な一文だと考えていいでしょう。

選択肢問題でも使える

この技は、選択肢問題でも役立ちます。

「筆者の主張として正しいものを選びなさい」という問題で、本文の中に「〜べきだ」という文があれば、その内容に近い選択肢が、正解の有力候補になります。

逆に、選択肢の中に「本文には書かれているが、”〜のである”で強く言い切られてはいない部分」(つまり具体例やただの説明)を使った選択肢があれば、それはひっかけかもしれません。

ただし、100パーセントではありません

念のため、お伝えしておきます。

この文末が出てきたら、必ず主張だ、というわけではありません。あくまで目印であり、可能性が高いというだけです。

登場人物のセリフの中で「〜べきだ」が使われることもありますし、具体例の中にこの文末が混ざることもあります。最後は、内容が本当に筆者の考えかどうかを確かめてください。

でも、「どこを見ればいいかわからない」状態から、「まずここを見てみよう」に変わる——これだけでも、大きな進歩です。

家庭では「言い切ってる文、探してみて」

家庭でおすすめなのは、こんな声かけです。

「この文章の中で、いちばん強く言い切ってる文、どれだと思う?」

「〜のである」「〜べきだ」を探すゲーム感覚で、説明文を読んでみてください。見つかったら、「じゃあ、それが筆者の言いたいことだね」と確認する。この練習を重ねると、文末を見る目が自然と育ちます。

まとめ

  1. 筆者が本気で主張するとき、文末には決まった型がある
  2. 3つの型——「〜のである」「〜べきだ」「〜なければならない」
  3. 理由は、言い切りの強さが、ただの説明と主張を分けているから
  4. 探し方は、各段落の最後の一文をチェック
  5. 「たしかに〜しかし〜」とセットで見つかれば、ほぼ確実
  6. ただし目印は100%ではない。最後は内容で確認

次に説明文を読むとき、「〜のである」「〜べきだ」に丸をつけてみてください。筆者がいちばん伝えたかった一文が、浮かび上がってきます。

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