歴史マンガを買うなら、5年生になるまでに。——これが、私が保護者の方にお伝えしていることです。
こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
前回、マンガは読書に入るか、というお話をしました。今日はその続きで、学習マンガ——特に歴史マンガについてです。国語のブログですが、ここは中学受験全体に関わる大事な話なので、あわせてお伝えします。
なぜ「5年生までに」なのか
塾のカリキュラムでは、歴史を本格的に学ぶのは5年生です(塾によって多少ちがいます)。
このとき、歴史をまったく知らない状態で授業を受けるのと、なんとなく流れを知っている状態で受けるのとでは、理解のスピードがまるでちがいます。
だから理想は、習う前に読んでおくこと。授業で「あ、これマンガで読んだことがある」となる子は、強いです。知っている話に、くわしい説明が乗っかる——これがいちばん頭に入る形なのです。
4年生のうち、あるいはもっと前でもかまいません。早すぎるということはありません。
大事なのは「流れ」をつかむこと
ここで、誤解しないでいただきたいことがあります。
マンガで年号を覚えさせる必要はありません。
大切なのは、流れです。
- どうして武士が力を持つようになったのか
- なぜ幕府が倒れたのか
- 誰と誰が、何をめぐって争ったのか
出来事は、つながっています。「これがあったから、次にこうなった」という因果の流れ。これが頭に入っていると、後から年号や人物を覚えるのが、ぐっと楽になります。
逆に、流れを知らずにバラバラの用語だけ覚えようとすると、苦しくなります。マンガは、この”流れ”を入れるのに最適なのです。
社会は3分野。そして入試に出るのは
社会は、地理・歴史・公民の3つの分野に分かれています。
このうち、入試で出題が多いのは、地理と歴史です。公民は6年生で学び、範囲も比較的コンパクト。つまり、歴史は入試での比重が大きい分野です。
その大きな分野を、マンガで先に体験しておける——これは、かなり効率の良い準備だと思います。
大河ドラマを見るのもいい
マンガ以外なら、大河ドラマもおすすめです。
一年かけて、ひとつの時代をじっくり描いてくれます。家族で見ていれば、自然と「この人、誰?」という会話が生まれる。映像で時代の空気を知っている子は、テキストの内容にも実感を持てます。
毎週きちんと見なくてもかまいません。「なんとなく知っている」を作るのが目的です。
そして、実は国語にも有効です
ここからは、国語ブログらしい話を。歴史マンガは、国語の力にもなります。
①熟語(かたい言葉)に出会える
「幕府」「政治」「改革」「支配」「制度」——歴史マンガは、熟語の宝庫です。
子どもが文章を難しく感じるのは、知らない熟語がたくさん出てくるからです。歴史マンガは、楽しみながら熟語のシャワーを浴びられる教材でもあります。
②説明文の背景知識になる
入試の説明文では、歴史・文化・日本の伝統といったテーマがよく出ます。そのとき、背景を知っている子は読むのが速い。知らない世界の話を読むのは、それだけで負担だからです。
③因果を追う練習になる
「こうなったから、こうなった」——歴史は因果のかたまりです。物語文で追いかけてきた「きっかけ→結果」の読み方が、そのまま使えます。
注意:マンガだけでは仕上がりません
前回もお伝えしたことですが、念のため。
歴史マンガを読んだからといって、社会の点が取れるわけではありません。
マンガで入るのは「流れ」と「イメージ」です。用語を正確に覚え、書けるようにするのは、そのあとの勉強の役割です。
ただ——土台がある子とない子では、その勉強のしんどさがまったくちがいます。マンガは、入試のための「地ならし」だと思ってください。
家庭では「どの時代がおもしろかった?」
読んだあと、こう聞いてみてください。
「どの時代がいちばんおもしろかった? なんで?」
好きな時代がある子は強いです。そこを入口に、他の時代へも広がっていきます。
そして、この質問は理由を説明する練習にもなります。「おもしろかった」で終わらせず、「なんで?」まで聞く——読書感想文の記事でお伝えしたのと、まったく同じやり方です。
まとめ
- 歴史マンガは、歴史を習う前(5年生になるまで)に読んでおくのが理想
- 目的は年号暗記ではなく、流れ(因果)をつかむこと
- 社会は地理・歴史・公民。入試では地理と歴史の出題が多い
- 大河ドラマもおすすめ。「なんとなく知っている」を作る
- 国語にも有効——熟語に慣れる/説明文の背景知識/因果を追う練習
- ただしマンガだけでは仕上がらない。あくまで土台づくり
もしお子さんがまだ4年生以下なら、今がちょうどいい時期です。「歴史マンガの絵、どれが好き?」——その一言から始めてみてください。

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