読書感想文は「です・ます」で書くもの? それとも「だ・である」?——実は、どちらでもかまいません。大事なのは・・・
こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
読書感想文シリーズの続きです。今日は常体(じょうたい)と敬体(けいたい)——文末の形のお話です。地味なところですが、知らないまま書くと必ず減点される部分でもあります。
常体と敬体とは
まず、言葉の意味から。
- 敬体……「です・ます」で終わる書き方(ていねいな言い方)
- 常体……「だ・である」で終わる書き方(言い切る言い方)
敬体:この本を読んで、ぼくは勇気をもらいました。
常体:この本を読んで、ぼくは勇気をもらった。
同じ内容でも、印象がずいぶん変わりますね。
いちばん大事なのは「統一すること」
どちらで書いてもかまいません。でも、ひとつの文章の中で混ぜてはいけません。
×「主人公はとても勇気があると思いました。ぼくも見習いたいと思う。」
これがいちばんよくある間違いです。内容が良くても、文末がバラバラだと「読みにくい文章」と判断されてしまいます。
どちらかに決めて、最後まで通す。——これが原則です。
混ざりやすいのは、こんなとき
不思議なもので、子どもは決まった場面で文末を切り替えてしまいます。
- 気持ちが乗ってきたとき……「すごいと思う!」と、つい常体が飛び出す
- 会話文のあと……セリフの調子に引っぱられる
- 書き始めと書き終わり……最初と最後で気分が変わっている
- 日をまたいで書いたとき……昨日は敬体、今日は常体
特に最後のパターンは要注意です。読書感想文は何日かかけて書くことも多いので、日をまたぐたびに文末がずれることがよくあります。
どちらを選べばいい?
迷ったら、こう考えてください。
敬体(です・ます)が向いている場合
- 低学年……よく目にする形なので、書きやすい
- 原稿用紙が埋まらない子……文末が長いぶん、字数がわずかに増えます
- やわらかく、読み手に語りかける感じにしたいとき
常体(だ・である)が向いている場合
- 高学年……大人っぽく、しっかりした印象になる
- 字数がオーバーしそうな子……文末が短いぶん、内容を多く入れられます
- 自分の考えをはっきり言い切りたいとき
どちらが上、ということはありません。書きやすいほうで大丈夫です。ただ、学校から「です・ますで書きましょう」と指示が出ている場合は、それに従ってください。
例外:会話文と、本からの引用
ひとつだけ例外があります。会話文と、本から引用した部分です。
母は「早く寝なさい」と言った。
常体で書いている文章でも、セリフの中は、そのままの言葉でかまいません。本の一節を引用するときも同じで、元の文をそのまま写します。ここは統一しなくて大丈夫です。
見直しのコツ:文末だけを読む
書き終わったあとのチェック方法をお伝えします。
内容は読まず、文末だけを目で追ってください。
「〜ました。」「〜です。」「〜ました。」「〜だ。」——あ、ここだ! と、すぐ見つかります。
内容ごと読み直すと、意味のほうに気を取られて、文末は素通りしてしまいます。文末だけを拾い読みする——この見直し方を覚えると、ミスがぐっと減ります。
作文の型の記事でお伝えした「ねじれ文」も、同じやり方で見つけられます。書いたあと、文末だけを点検する。これを習慣にしてください。
家庭では、最後にこの一言
丸つけや清書の前に、こう聞いてあげてください。
「文末、そろってる?」
自分で見つけられたら大成功です。親が赤で直してしまうより、自分で気づいて直した子のほうが、次から間違えません。
読書感想文で「文末をそろえる」ことを覚えた子は、学校の作文でも、中学以降のレポートでも、ずっとその力を使います。夏休みのうちに、ぜひ身につけさせてあげてください。
まとめ
- 敬体=です・ます/常体=だ・である
- どちらでもよいが、混ぜないこと
- 混ざりやすいのは、気持ちが乗ったとき・会話文のあと・日をまたいだとき
- 迷ったら、低学年は敬体、高学年は常体。字数が足りない子は敬体が少し有利
- 見直しは、文末だけを読む
今年の読書感想文、清書の前にひとこと。「文末、そろってる?」——それだけで、ととのった作文になります。

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