記述問題が、白紙のまま返ってきていませんか。——実は、記述はいちばん簡単な問題かもしれません。
こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
「本文を読まなくていいシリーズ」の第3弾です。今日のテーマは記述問題。多くの子が「いちばん難しい」と感じ、多くの子が白紙で出す問題です。
でも私は、教室でいつもこう言っています。「記述を書かないのはもったいない」と。今日はその理由をお伝えします。
大前提:答えは、本文の中にある
国語の設問の答えは、必ず本文にあります。これは、このブログでずっとお伝えしてきたことです。
記述問題も、まったく同じです。自分の頭の中から、うまい文章をひねり出す必要はありません。
考えるのではなく、探す。
これが記述問題の正体です。作文ではなく、探し物なんです。そう思えた瞬間、記述はぐっと楽になります。
手順①:探す
まず、設問が何を聞いているかを確かめます(設問を最後まで読む——これは以前お伝えした通りです)。
- 「なぜですか」 → 理由が書いてある場所を探す
- 「どういうことですか」 → 言い換えている場所を探す
- 「どんな気持ちですか」 → 気持ちが表れている場所を探す
そして、傍線部の近くを見る。ここでも「考える」より「探す」が先です。
手順②:見つけたら、文末を変える
探し当てた部分を、そのまま書き写すだけでは点になりません。最後のひと手間が要ります。
設問に合わせて、文末を変えるのです。
- 「なぜですか」と聞かれたら → 「〜から。」「〜ため。」
- 「どういうことですか」と聞かれたら → 「〜ということ。」
- 「どんな気持ちですか」と聞かれたら → 「〜という気持ち。」
これだけです。探して、文末を変える。記述問題の作業は、基本的にこの2つしかありません。
逆に言えば、内容が合っていても文末がズレていると減点されます。「どんな気持ちですか」に「〜から。」で終わる答えを書いてしまう——これは本当によく見るミスです。最後の数文字で点が変わるので、ここは必ず確認してください。
実は、字数が多い問題ほど簡単
意外に思われるかもしれませんが、こういう法則があります。
指定された字数が多いほど、答えは見つけやすい。
理由を考えてみてください。「六十字で書きなさい」ということは、その答えの内容が、本文の中でも六十字ぶんの場所を取っているはずですよね。つまり、それだけ目立つかたまりとして書かれているということです。
反対に、十五字の記述は、ピンポイントで小さい。探す難易度はむしろこちらのほうが高いのです。
だから、字数の多い記述を見て「うわ、長い……」とひるまないでください。長い記述ほど、本文にしっかり書いてある。探しに行けば、必ず見つかります。
いちばん伝えたいこと:記述には部分点がある
そして、ここからが今日の本題です。
記号問題は、100点か0点です。当たれば満点、外れればゼロ。中間はありません。
でも記述は、部分点がもらえます。10点の問題なら、2点、4点、6点、8点——書いた分だけ、みてもらえるのです。
たとえば「気持ちを書けたけど、きっかけを書き忘れた」なら、半分もらえるかもしれない。「言葉づかいは荒いけど、内容の芯は合っている」なら、点はつきます。
完璧な答えを書く必要は、まったくありません。
だから、白紙は本当にもったいない
入試は、満点を取る試験ではありません。学校にもよりますが、7割取れれば合格ラインに届く入試がほとんどです。
つまり——3割は間違えていい。完璧を目指す必要はないのです。
その前提で考えると、記述を白紙で出すのは、あまりにもったいない。書けば2点、4点と拾えたかもしれないものを、自分からゼロにしているのですから。
だから、お子さんにはこう伝えてあげてください。
「記述は、書いたら書いた分だけ点がもらえる。空欄にしたらゼロ、もったいないよ。」
この意識があるだけで、答案の姿が変わります。そして実際に、点数も変わります。
家庭では「とりあえず書く」の練習
家庭でおすすめなのは、書けなくても、本文を写す練習です。
丸つけのとき、記述が白紙だったら、答えを教える前にこう言ってみてください。
「わからなくてもいいから、さがして写してみよう」
書けたら、たとえ不十分でも「お、ここは合ってる」と、合っている部分を必ず見つけてほめてください。部分点をもらう体験を、家庭で先にさせてあげるのです。
「間違えたら恥ずかしい」と思っている子ほど、白紙にします。「書けばほめてもらえる」——この安心感が、記述の第一歩です。
まとめ
- 記述の答えは本文にある——考えるのではなく探す
- 見つけたら文末を設問に合わせて変える(〜から。/〜ということ。/〜という気持ち。)
- 字数が多い記述ほど、見つけやすい(本文でも場所を取っているから)
- 記号は100か0。記述は2・4・6・8と部分点がもらえる
- 入試は7割で合格。完璧はいらない。白紙は損
次のテストの前に、この一言を。「記述は、書いたら書いた分だけ点になる。」——それだけで、答案の白い部分が減っていきます。

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