テストの最後、時間切れ。空欄だらけの答案が返ってくる——。でも、その空欄、埋められたかもしれません。
こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
「本文を読まなくていいシリーズ」の第2弾です。前回は、答えのありかは設問が教えてくれる——理由を聞かれたら傍線部の後を見る、というお話をしました。
今日はもっと極端です。接続語の空欄問題は、文章全体を読まなくても、前後の数行だけで答えが決まります。しかも記号問題。つまり、選ぶだけで点にできるということです。
接続語は「道路標識」だった
以前、接続語の記事で、接続語は文章の道路標識だとお伝えしました。
「この先、話が反対に曲がります(しかし)」「この先、まとめに入ります(つまり)」——標識は、その場所の道の形だけを示しています。ということは、標識の前後さえ見れば、どの標識が入るかは決まるのです。
だから接続語の空欄問題は、文章全体を理解していなくても解けます。必要なのは、空欄の前の一文と、後ろの一文だけ。
前後だけで決まる、4つの型
覚えるのはこの4つです。実例つきで見てみましょう。
型①:後ろに「〜から」があれば → なぜなら
今日は外で遊べない。( )、朝から雨が降っているからだ。
空欄の後ろに「〜から」「〜ためだ」があれば、そこは理由を説明している場所。答えは「なぜなら」です。文末の「から」を見つけるだけで決まります。
型②:前がまとめ・後ろが具体的 → たとえば
日本には四季がある。( )、春には桜が咲き、秋には紅葉が色づく。
前が大きな話(まとめ)、後ろがくわしい話(具体例)。この形なら「たとえば」です。
型③:前が具体的・後ろがまとめ → つまり
春には桜、夏にはひまわり、秋には紅葉、冬には雪。( )、日本は季節の変化が豊かな国だ。
②の逆です。前がくわしい話、後ろがまとめ。この形なら「つまり」。「このように」「要するに」も同じ仲間です。
型④:前後が反対のことを言っている → しかし
朝から三時間も勉強した。( )、テストの点数は伸びなかった。
前とうしろで、話がひっくり返っている。これが「しかし」「ところが」「だが」です。
話がひっくり返っているだけではない他の意味もありますが、その話はまた今度。
選択肢の攻め方:2つのコツ
型を知ったうえで、選択肢の見方にもコツがあります。
コツ①:選択肢に「しかし」があれば、必ずどこかで使う
出題者は、意味もなく選択肢を並べているわけではありません。「しかし」が選択肢にあるということは、どこかの空欄に必ず入るということです。
だから、確実にわかる空欄から埋めていって、「しかし」が入る場所を探しにいく。逆接は文章の骨組みなので、見つかれば大きな手がかりになります。
コツ②:「そして」は最終手段
反対に、「そして」は決め手になりにくい言葉です。ただ話を続けているだけなので、どこにでも入りそうに見えてしまう。
だから「そして」は、最後まで残しておく。他の空欄をぜんぶ決めてから、余ったところに入れる——これが正解率を上げるコツです。迷ったときに、まず「そして」に飛びつかないでください。
手順:空欄の前後だけを読む
実際の解き方は、こうです。
- 空欄の直前の一文を読む
- 空欄の直後の一文を読む
- 2つの関係を考える(反対? まとめ? 具体例? 理由?)
- 型に当てはめて、選択肢から選ぶ
読むのは2文だけ。慣れれば、1問10秒もかかりません。
時間がないときこそ、ここで稼ぐ
テストで文章を読む時間が足りなくなったとき——ぜひ思い出してください。
接続語の問題だけは、前後を見れば書けます。
抜き出し問題を白紙にするのは仕方ない場面もあります。でも、接続語の空欄を白紙で出すのは、本当にもったいない。記号問題なので、当たれば確実に1問ぶんの点になります。
「時間がなくなったら、まず接続語の空欄を埋める」——これをルールとして決めておくだけで、点数は変わります。
ただし、これは”最後の手段”です
念のためお伝えしておきます。この解き方は、本来のやり方ではありません。
文章をきちんと読み、話の流れをつかんだうえで接続語を選ぶ——それが本筋です。そして接続語が読める力は、そのまま説明文を読む力でもあります。
ここでお伝えしたのは、その力が身につくまでの橋渡しであり、時間切れのときの保険です。ふだんの勉強では、ぜひ前後だけでなく、文章全体を読んで解いてください。
家庭では「前後だけクイズ」
家庭でおすすめなのは、前後2文だけを見せるクイズです。
「『雨が降ってきた。( )、試合は中止になった。』——ここ、何が入る?」
問題集から2文だけ抜き出して、口頭で出すだけでOK。慣れてくると、子どもは前後の関係を反射的に見るようになります。この反射が身につけば、接続語の問題は落としません。
まとめ
- 接続語の空欄問題は、前後の2文だけで決まる
- 4つの型——後ろに「〜から」=なぜなら/前がまとめ=たとえば/後ろがまとめ=つまり/反対=しかし
- 選択肢に「しかし」があれば必ずどこかで使う
- 「そして」は最終手段——最後まで残しておく
- 時間切れでも接続語の空欄だけは埋める。白紙はもったいない
次のテストの前に、お子さんにひとこと伝えてあげてください。「時間なくなっても、接続語のカッコだけは埋めておいで」——それだけで、2点アップです。

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