【塾講師が解説】読書感想文の本の選び方|学年別・「書ける本」の見つけ方

読書感想文は、本を選んだ時点で半分終わっています。——これは大げさではありません。

こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。

前回、読書感想文の書き方をお伝えしました。今日はその前の段階、本の選び方です。合わない本を選んでしまうと、どんなに型を知っていても書けません。逆に、ぴったりの一冊に出会えたら、感想文はするすると進みます。

選び方の大原則:「書ける本」を選ぶ

まず、いちばん大事な考え方です。

選ぶ基準は、「立派な本」でも「賞が取れそうな本」でもありません。お子さんが”何か言いたくなる本”です。

感想文は、心が動いた話を書くもの。だから、読んで何も心が動かない本を選んでしまうと、書くことがなくなってしまいます。

基準①:自分の経験と重なる本

いちばんおすすめなのが、お子さんの生活と重なる本です。

  • 習い事をがんばっている子 → 何かに打ちこむ主人公の話
  • 弟や妹がいる子 → きょうだいの話
  • 引っこしや転校を経験した子 → 別れや新しい環境の話

感想文で高く評価されるのは、自分の経験とつなげて書けている部分です。経験が重なる本なら、「わたしにも似たことがあって——」が自然に書けます。

基準②:最後まで読み切れる本

厚い本を選ぶ必要は、まったくありません。

夏休みは、宿題も遊びもあって忙しい時期です。分厚い本を選んで、読み終わらないまま8月末を迎える——これがいちばんしんどいパターンです。

薄くても、心に残る本はたくさんあります。「読み切れる量かどうか」は、現実的に判断してください。

基準③:課題図書にこだわらない

「課題図書から選ばなきゃいけない」と思い込んでいるご家庭も多いのですが、コンクールによっては自由図書でも応募できます。まずは学校のプリントを確認してみてください。

課題図書には「みんなが読むので、同じような感想文が並びやすい」という面もあります。お子さんが心から書きたい本があるなら、そちらを選ぶのも良い選択です。

学年別・選び方の目安

低学年(1〜2年生)

絵本でも大丈夫です。ページ数より、「好き」が大事な時期。動物、家族、友だちなど、身近な題材が書きやすくなります。読み聞かせをして、一緒に選ぶのもおすすめです。

中学年(3〜4年生)

物語(読み物)にステップアップする時期。主人公の年齢が近い本を選ぶと、気持ちを重ねやすくなります。「自分だったらどうする?」と考えられる本が理想です。

高学年(5〜6年生)

自分の意見を書けるようになる時期なので、少し考えさせられるテーマもおすすめです。友情、家族、命、環境、戦争など。ノンフィクションや伝記も、「自分はどう生きたいか」につなげやすい題材です。

ただし、無理に難しい本を選ばせないこと。背伸びした本より、心が動いた本です。
å

選ぶときの、たったひとつの質問

本屋さんや図書館で迷ったら、お子さんにこう聞いてみてください。

「この本、読んだあと誰かに話したくなりそう?」

「話したくなりそう」と感じた本は、書くことがある本です。逆に「うーん」となる本は、たぶん筆が止まります。この一言で、かなり選びやすくなりますよ。

まとめ

  1. 選ぶ基準は「立派な本」ではなく「何か言いたくなる本」
  2. 自分の経験と重なる本が書きやすい(経験とつなげると評価も高い)
  3. 最後まで読み切れる量を現実的に選ぶ——薄くてもいい
  4. 課題図書にこだわらなくてよい場合も多い(応募要項を確認)
  5. 迷ったら「読んだあと誰かに話したくなりそう?」と聞く

図書館へ行く前に、この記事をチラッと思い出してみてください。本選びがうまくいけば、今年の感想文は、もう半分終わったようなものです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました