「四十字で抜き出しなさい」——このとき、本文を一文字ずつ数えていませんか。その時間、丸ごと節約できます。
こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
今日は、教室で必ず教えている小さな技をひとつ。地味ですが、入試本番で確実に役に立ちます。
入試問題の本文は、1行の文字数が決まっている
入試の問題用紙をよく見てください。本文は、1行あたりの文字数がきっちり決まって印刷されています。
学校によって、1行が35字だったり、50字だったり。でも、同じ試験の中では、ずっと同じです。
ということは——過去問を解くときに1行が何字か数えておけば、あとは行数を見るだけで、だいたいの文字数がわかるのです。
たとえば、1行が30字だったら
こう考えられます。
- 30字の抜き出し → ちょうど1行分のかたまり
- 45字の抜き出し → 1行半くらい
- 60字の抜き出し → 2行分
「四十五字で抜き出しなさい」と言われたら、本文の中で1行半くらいのかたまりを探せばいい。一文字ずつ数えなくても、目で見て見当がつくのです。
これが、抜き出し問題の時間を大きく縮めます。
なぜこれが役に立つのか
「字数が多い記述ほど、本文でもその字数分の場所を取っているはず」
1行の文字数を知っているというのは、この「場所を取っている部分」を、目で測れるようになるということです。
そして、抜き出し問題の記事でお伝えした通り、字数は探すための道具ではなく、見つけたあとに範囲を決める目安でした。1行の字数を知っていれば、この「範囲を決める」作業が一瞬で終わります。
数えるのではなく、見る。これだけで、1問あたり数十秒は変わります。抜き出しが3問あれば、それだけで1分以上の差です。
いつ数えるのか:過去問演習の際に確認
やることはシンプルです。
過去問を解く時、まず本文の1行を数える。
1回数えるだけ。10秒あれば終わります。「この試験は1行30字」とわかったら、あとはずっとそれを使い回せます。
解答用紙のほうも確認しておくと、なお良いです。記述の解答欄が「1行20字×3行」なら、書くべき分量が見えます。書きながら字数オーバーに気づいて書き直す——あの時間のロスも防げます。
ちょっとした注意
- 学校ごとにちがいます。過去問を解くときも、その学校の1行の字数を確認してください
- 句読点やかぎかっこも1字に数えるのが基本です(「〜」も「。」も1マス)
- あくまで目安です。最後は数えて確かめてください。特にぴったりの字数指定(「三十字ちょうど」など)のときは要注意です
家庭では、過去問を開いたときに一言
家庭でできるのは、とてもかんたんです。過去問や問題集を開いたとき、こう聞いてみてください。
「この問題、1行何字?」
数えたことがない子は、まず「え?」となります。そこで一緒に数えてみる。「30字か。じゃあ60字の抜き出しは2行分だね」——この会話を1回するだけで、子どもは一生使える道具を手に入れます。
本番でいきなりやろうとしても、忘れます。練習でやっていることしか、本番ではできません。
まとめ
- 入試の本文は、1行の文字数が決まっている
- 最初に1行を数えておけば、行数を見るだけで字数の見当がつく
- 「45字=1行半」のように、数えずに見て探せる
- 解答用紙の1行の字数も確認しておく(書き直しを防げる)
- 学校ごとにちがうので、過去問ごとに確認するクセを
次に過去問を開いたら、まずこの一言を。「1行、何字ある?」——たった10秒が、本番の1分を生みます。

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