中学入試の物語文には、実は”よく出る話のパターン”があります。それを知っているだけで、初めて読む文章でも、展開が見えてきます。
こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
今日は、物語文シリーズの実戦編。入試の物語文でよく出るテーマを知っておこう、というお話です。テーマを知ると、なぜ読みやすくなるのか。その理由からお伝えします。
テーマを知ると「先の展開」が読める
映画やドラマを何本も見てきた大人は、途中で「たぶんこの二人、仲直りするな」と先が読めますよね。パターンを知っているからです。
物語文も同じです。よく出るテーマを知っている子は、話を予測しながら読めます。「これは成長の話だな」とわかれば、「主人公は最後には一歩前に進むはず」と見通しが立つ。すると、気持ちの変化も追いやすくなります。
もちろん、決めつけは禁物です。あくまで予測。それでも、まっさらで読むのとは、見え方が大きくちがいます。
頻出テーマ①:友情
いちばんよく出るのが友情です。ケンカ、仲直り、ライバル、すれちがい——友だちとの関係を通して、主人公が何かに気づく話です。
- 注目ポイント……二人の関係が、どの出来事で変わったか
- よくある展開……ぶつかる → きっかけ → おたがいを理解する
「気持ちの変化を追う」で練習した3ステップが、そのまま使えるテーマです。
頻出テーマ②:家族
家族も定番です。親、きょうだい、祖父母との関係。反発していた親の気持ちに気づいたり、きょうだいへの見方が変わったり。
- 注目ポイント……主人公が、家族の「知らなかった一面」に気づく瞬間
- よくある展開……すれちがい → ある出来事 → 家族の思いに気づく
反抗期のお子さんを持つ保護者にとっては、共感できるテーマかもしれません。
頻出テーマ③:成長
成長は、物語の定番のテーマです。できなかったことができるようになる。逃げていたことに、向き合えるようになる。
- 注目ポイント……「読む前の主人公」と「読んだ後の主人公」のちがい
- よくある展開……できない・自信がない → 挑戦・失敗 → 少し前に進む
「はじめとおわりで、主人公はどう変わったか」変化後の様子は比喩で表現されることも多いです。
頻出テーマ④:別れ
別れもよく出ます。転校、卒業、大切な人やペットとの別れ。さびしさだけでなく、別れを通して大切さに気づく、という展開が定番です。
- 注目ポイント……別れによって、主人公が何に気づいたか
- よくある展開……当たり前だと思っていた → 別れ → 大切さに気づく
「かなしい」だけで終わらないのがポイント。別れの物語は、たいてい”気づき”の物語です。
全テーマ共通のカギ:「何に気づいたか」
4つのテーマを並べて、気づいたことはありませんか。どのテーマも、主人公が最後に”何かに気づく”のです。
- 友情 → 友だちの本当の気持ちに気づく
- 家族 → 家族の思いに気づく
- 成長 → 自分の弱さや、できる力に気づく
- 別れ → 大切さに気づく
だから物語文を読むときの、最強の問いはこれです。「主人公は、この話を通して、何に気づいた?」
この問いの答えこそ、多くの場合、その物語の主題(テーマ)であり、そして最後の一問で問われることそのものなのです。
家庭では「これ、何の話だった?」
家庭でのおすすめは、音読や黙読のあとのこの質問です。
「今の話、ひとことで言うと何の話だった?」
「友だちとケンカして仲直りする話」「おじいちゃんとの別れの話」——ひとことでまとめる練習は、テーマをつかむ力を育てます。慣れてきたら、「主人公は最後、何に気づいたと思う?」まで聞いてみてください。
まとめ
- 頻出テーマを知ると、話の先が予測できて読みやすくなる(ただし決めつけは禁物)
- 定番は4つ——友情・家族・成長・別れ
- どのテーマも共通するのは、主人公が「何かに気づく」こと
- 最強の問い=「主人公は、何に気づいた?」——それが主題であり、記述の答え
- 家庭では「ひとことで言うと何の話?」
今夜、ぜひ聞いてみてください。「これ、ひとことで言うと何の話? 主人公は最後、何に気づいた?」

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