【塾講師が解説】小学生の語彙力を増やす3つの方法|国語が苦手な子はまず”言葉の数”

「うちの子、語彙力がなくて…」——国語のご相談で、いちばんよく聞く言葉です。

こんにちは。塾業界で20年以上、塾長も務めてきた国語指導の講師です。主に小学3年生〜6年生を教えています。

前回の記事で、子どもにとって国語の文章は”外国語“と同じ、というお話をしました。では、外国語を読めるようになるために、いちばん最初に必要なものは何でしょうか。——そう、単語です。国語でいえば語彙力。実は、国語が苦手な子の原因をたどっていくと、かなりの割合でこの語彙力不足に行き着きます。

今日は、教室で実際に効果があった「語彙力を増やす3つの方法」と、語彙を鍛えて成績が急激に伸びた生徒さんの実話をお伝えします。

方法①:まず「知らない言葉に出会う」ことから

意外に思われるかもしれませんが、語彙力づくりの第一歩は「覚えること」ではありません。知らない言葉に出会うことです。

子どもは、文章の中に知らない言葉があっても、立ち止まらずに素通りしてしまいます。または、わからない言葉が出てきた時に思考が停止してしまいます。「知らない言葉」であることを、認識していないのです。だから、「まず知らない言葉に出会い、『あ、これ知らないな』と認める。」語彙は、そこからしか増えません。

日常会話で使う言葉だけでは、どうしても限りがあります。文章の中で、新しい言葉にたくさん出会わせてあげてください。

方法②:意味だけでなく「文章ごと」覚える

言葉の意味を、辞書の一行だけで覚えても、テストではなかなか使えません。おすすめは、文章ごと覚えるイメージを持つことです。文脈ごと覚えるとも言えます。

ポイントは2つあります。

  • その言葉はプラスのイメージか、マイナスのイメージか
  • どんな場面で出てくる言葉か

たとえ意味を正確に言えなくても、「これは良い意味の言葉だ」「こういう場面で使う言葉だ」とわかるだけで、文章の読み取りの精度は大きく上がります。
プラスかマイナスか方向性がわかるだけでも良いのです。

方法③:難しい言葉も、親子で使ってみる

覚えた言葉は、使ってはじめて自分のものになります。おすすめは、親子の会話で、あえて難しい言葉を使ってみることです。

少し背伸びした言葉でかまいません。「それ、どういう意味?」と会話が生まれたら大成功。家庭が”言葉を試せる場所”になると、語彙はぐんぐん定着していきます。

【実話】語彙を鍛えて、国語が急激に伸びた生徒さん

塾長時代に担当していた生徒さんの話です。

5年生の秋の時点で、国語の偏差値は、得意な算数より10も下でした。そこから本人とご家庭が決めて実行したのは、決して派手なことではありません。

  • 音読をする
  • 塾のテキストの漢字と漢字テスト、語句の分野を徹底的にやる
  • 知らない言葉は親子で意味調べをして、ノートに書く
  • 毎回の小テストで100点を取り続ける

これを1年間続けた結果——6年生の秋に急激に模試の成績が上がり始めたのです。算数との差はわずか2ポイントまで縮まりました。そして国語の偏差値は、第一志望校の「合格率80%ライン」を超えるところまで伸びたのです。
その結果、第一志望校に合格を果たし進学されました。

特別な教材も、裏ワザもありません。語彙という土台を固めただけで、読解の点数まで変わりました。語彙力は、それほど大きな力を持っています。

まとめ:語彙は一日では増えない。でも、今日から増やせる

語彙力は、一朝一夕にはつきません。だからこそ、焦らないでください。

  1. 知らない言葉に出会う
  2. プラスかマイナスか、どんな場面か、イメージごと覚える
  3. 親子で使ってみる

このサイクルを少しずつ回していけば、語彙は必ず増えていきます。そしてその積み重ねが、さきほどの生徒さんのように、成績が大きく動く日につながります。

まずは今日、お子さんとの会話にひとつ、新しい言葉を混ぜてみてください。

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