こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
これまで、気持ちは想像ではなく読み取るもの、そして4つの場所にかくれている、というお話をしてきました。今日はその集大成。気持ちの「変化」を追いかける方法です。
物語とは「気持ちが変わる話」である
そもそも物語とは何でしょうか。乱暴に言えば、登場人物の気持ちが、変わっていく話です。
- はじめは仲が悪かった二人が、ある出来事をきっかけに、友だちになる
- 自信がなかった子が、あることを通して、前を向けるようになる
「はじめの気持ち」と「おわりの気持ち」が同じ物語は、ほとんどありません。だからテストは、そこを聞いてきます。「はじめはこうだった主人公が、どんなきっかけで、どう変わったのか」——これが物語文の中心テーマなのです。
変化には、必ず「きっかけ」がある
気持ちは、何も起きなければ変わりません。必ずきっかけ(出来事)があります。
変化は、いつもこの3ステップで起きています。
① 変わる前の気持ち → ② きっかけ(出来事) → ③ 変わった後の気持ち
たとえば——
① 弟なんて大きらい(変わる前)
② 弟が、こっそり自分をかばってくれた(きっかけ)
③ 弟を、少し見直した(変わった後)
この3つがつながって見えると、物語のいちばん大事なところをつかんだことになります。
記述問題は、この「型」で書ける
「主人公の気持ちはどう変わりましたか」——こう問われたら、答え方は決まっています。さきほどの3ステップを、そのまま文にするのです。
「〇〇だったが、△△したことで、□□という気持ちに変わった。」
- 〇〇=変わる前の気持ち
- △△=きっかけの出来事
- □□=変わった後の気持ち
さきほどの例なら——「弟をきらっていたが、こっそりかばってくれていたことを知って、弟を見直す気持ちに変わった。」
記述が苦手な子ほど、この型が助けになります。ゼロから文を作るのではなく、3つの空欄を、文章から探して埋める。記述は、作文ではなく穴埋めなのです。
いちばん大事なのは「きっかけ」さがし
3ステップの中で、子どもがいちばん書けないのが②のきっかけです。「前の気持ち」と「後の気持ち」は書けても、「なぜ変わったのか」が抜けてしまう。
このきっかけが抜けてしまうと満点の解答は書けません。「気持ちが変わった」だけでは、半分の点。「何があって変わったのか」まで書けて、満点になります。
だから、気持ちの変化を見つけたら、必ず問いかけてください。「その間に、何があった?」——変化の前後にはさまれた出来事こそ、心情変化のきっかけです。
家庭では「気持ちメーター」
家庭でのおすすめは、気持ちメーターです。
音読した物語について、「最初、主人公の気持ちは何点だった?」「最後は何点になった?」と、点数で聞いてみます。「最初は10点、最後は80点!」と答えたら、すかさず——「じゃあ、どこで点数が上がった?」
この「上がった瞬間」こそ、きっかけの出来事です。点数の変化を追う遊びが、そのまま「変化ときっかけを追う」練習になります。
まとめ
- 物語は気持ちが変わる話——テストは「変化」を聞いてくる
- 変化は3ステップ——前の気持ち → きっかけ → 後の気持ち
- 記述は型で書ける——「〇〇だったが、△△で、□□に変わった」
- 満点を目指すならきっかけ——「その間に何があった?」
- 家庭では気持ちメーター(何点→何点→どこで動いた?)
まずは今夜の音読で。「主人公の気持ち、最初と最後で何点変わった?」——その差を生んだ出来事を、一緒に探してみてください。

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