説明文はサンドイッチです。

こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。

今日は、教室でずっと使ってきたたとえ話をご紹介します。これを教えると、子どもの説明文の読み方が、その日から変わります。

説明文の形は「抽象 → 具体 → 抽象」

説明文の多くは、こういう形をしています。

  1. 抽象……話題(大きな話)
  2. 具体……説明・例・理由(くわしい話)
  3. 抽象……まとめ・筆者の考え(大きな話)

大きな話ではさんで、間にくわしい話を入れる。——パン・具・パン。まさにサンドイッチです。

なぜこの形になるのでしょう。理由はかんたんです。「説明文はサンドイッチだ(パン)」だけでは、読む人が納得しません。だから「たとえばこんな例がある(具)」を入れる。そして最後にもう一度「だから説明文はサンドイッチだと言える(パン)」と念をおす。説得するために、この形になるのです。

パンの部分が大切

ここが今日いちばんのポイントです。

大切なことは、たいてい”パン”に書いてあります。

  • パン(抽象)=筆者の主張。これが問われる
  • 具材(具体)=それを支えるための例。これは脇役

ところが子どもは、たいてい具ばかり覚えています。サンドイッチの、おいしいところだけ食べてしまうのです。

「今の文章、どんな話だった?」と聞くと、「えっと、ペンギンがね、氷の上でね……」と、例の話だけを一生けんめい説明してくれる。でも筆者が言いたかったのは、ペンギンの話ではなく、その例を通して伝えたかった考えのほうなのです。

だから読むときは、いつもこう意識してください。「で、パンには何が書いてある?」

「たとえば」が出たら、具が始まる合図

サンドイッチのどこからどこまでが具材か。見分ける目印があります。

  • 「たとえば」「実際に」「〜という例がある」 → ここから具材
  • 「つまり」「このように」「〜と言えるだろう」 → ここからパンに戻る

接続語の記事でお伝えしたことを思い出してください。「たとえば」の本体は、その前に書いてある。そして「つまり」の後ろには、まとめが来る。——サンドイッチの構造は、接続語が教えてくれるのです。

最初のパンと、最後のパン。より大切なのは?

サンドイッチにはパンが2枚あります。どちらが大切でしょうか。

多くの場合、最後のパンのほうが大切です。

最初のパンは、話の入り口。「〜について考えてみたい」と、問題を出すだけのこともあります。それに対して最後のパンは、具(例や理由)を通ったあとの結論。だから中身が濃く、はっきり言い切っていることが多いのです。

ただし、最初のパンを読み飛ばしてはいけません。最初のパンには「話題」が書いてあります。何の話なのかがわからなければ、結論も理解できませんから。

具が長くても、迷子にならない

入試の説明文は、具(具体例)がとても長いことがあります。ペンギンの話が2ページ続く、なんてこともある。

そんなとき、子どもは迷子になります。「何の話をしてるんだっけ?」と。

そこで教えているのが、「これは具だ」と印をつけておくことです。「たとえば」に印をつけ、「つまり」でパンに戻ったことを確認する。そうすれば、どんなに具が長くても、自分がサンドイッチのどこにいるかを見失いません。

家庭では「パンはどこ?」

家庭でのおすすめは、テキストの説明文を開いて、こう聞くことです。

「この文章、パンの部分はどこ?」

指でさせたら大成功。慣れてきたら「具材は何だった?」「じゃあ、パンには何て書いてあった?」と続けてください。

サンドイッチのたとえは、子どもがすぐ覚えます。そして一度覚えると、テスト中にも自分で「パンはどこ?」と探せるようになります。

まとめ

  1. 説明文の形は抽象 → 具体 → 抽象パン・具・パン
  2. 答えはパンにある——具は脇役
  3. 子どもは具ばかり覚えているので、「パンには何が書いてある?」と聞く
  4. 目印は「たとえば」=具の始まり、「つまり」=パンに戻る
  5. 最後のパンがいちばん大切。でも最初のパンには話題がある

まずは今日、テキストの説明文をひとつ開いて。「この文章のパン、どこだと思う?」——そこから始めてみてください。

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