こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
今日から説明文(論説文)のシリーズに入ります。物語文とはまったく別の読み方をする——そこを知るところから始めましょう。
論説文には「気持ち」がない。代わりに「考え」がある
物語文で追いかけてきたのは、登場人物の気持ちでした。
論説文には、気持ちはありません。代わりにあるのが、筆者の考えです。
- 物語文……この人物は、何を感じたか
- 論説文……この筆者は、何を言いたいか
追いかけるものが変わるだけで、やることは同じです。書いてあることから、根拠をもって読み取る。このシリーズでずっとお伝えしてきたことは、説明文(論説文)でもまったく変わりません。
論説文は「たった一つのこと」を言うために書かれている
ここが最大のポイントです。
何千字もある論説文が、あれこれ言っているように見えて——実は、筆者が言いたいことは、たいてい一つだけです。
残りは全部、その一つを納得させるための道具です。
- 具体例……わかりやすくするため
- 数字やデータ……信じてもらうため
- 反対の意見……くらべて引き立たせるため
だから論説文を読むときの目標は、はっきりしています。「この人が言いたい、たった一つのことは何か」を見つけること。逆に言えば、それ以外は全部おまけです。
おさえるのは「話題」と「結論」の2つ
物語文では「場面・人物・出来事・気持ち」の4点セットをおさえました。論説文は、もっとシンプルです。
- 話題……何について書いてあるか
- 結論……それについて、筆者はどう考えているか
たとえば「AIについて(話題)、人間の仕事を奪うのではなく、助ける道具として使うべきだ(結論)」。この2つが言えれば、その論説文は読めています。
読み終わって「で、結局なんの話だった?」となるのは、この2つが取れていないサインです。
話題は「くり返される言葉」が教えてくれる
では、話題はどうやって見つけるのか。かんたんです。何度も出てくる言葉を探してください。
筆者は、大事なことを何度もくり返します。同じ言葉で、あるいは言い換えながら。だから、くり返し出てくる言葉=話題の中心。
対義語・類義語の記事で「筆者は大事なことを言い換えながらくり返す」とお話ししましたが、まさにそれです。言い換えに気づける子は、話題を見失いません。
結論は「後ろのほう」と「しかし」の後ろ
結論の探し方にも、コツがあります。
コツ①:終わりのほうを見る
日本語の文章は、結論を最後に置くことが多いのです。「以上のように」「つまり」「だから私は〜と考える」——最後の段落は、結論であることが多いのです。
コツ②:「しかし」の後ろを見る
接続語の記事でお伝えした通りです。「しかし」の後ろには、筆者の本音が来ます。「一般には〜と言われている。しかし——」の後ろこそ、筆者が本当に言いたいこと。
この2つを覚えておくだけで、結論さがしの精度が大きく上がります。
論説文でいちばんの落とし穴:「自分の意見」で答える
最後に、失点のいちばん多い原因をお伝えします。
自分の考えで答えてしまうことです。
「筆者はどう考えていますか」と聞かれているのに、「ぼくは〜だと思う」と書いてしまう。あるいは、選択肢の中から「自分がそう思うもの」を選んでしまう。
物語文で「自分ならこう思う、で答えてはいけない」とお話ししましたね。論説文もまったく同じです。答えは、いつも文章の中にある。筆者に賛成でも反対でも、聞かれているのは筆者の考えです。ここを徹底するだけで、論説文の正答率は変わります。
家庭では「で、何が言いたい文章だった?」
家庭でのおすすめは、音読のあとのこの質問です。
「これ、何の話で、その人は何が言いたかったの?」
話題と結論、2つ答えられたら合格です。詰まったら、最後の段落と「しかし」「このように」を一緒に探しに行ってください。
まとめ
- 論説文で追うのは、気持ちではなく筆者の考え
- 筆者が言いたいことは、たいてい一つだけ——残りは全部その道具
- おさえるのは「話題」と「結論」の2つ
- 話題はくり返される言葉、結論は終わりのほうと「しかし」の後ろ
- 自分の意見で答えない——答えはいつも文章の中
説明文(論説文)シリーズは、これから深掘りしていきます。まずは今日、テキストの論説文をひとつ。「これ、何の話で、何が言いたかった?」から始めてみてください。

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