こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
前回、言葉には和語・漢語・外来語の3つの出身地がある、というお話をしました。今日はその中の外来語(カタカナ語)を深掘りします。実はカタカナ語には、漢語とはまったく違う”落とし穴”があるのです。
説明文は、カタカナ語だらけになってきた
いまの入試や教材の説明文は、環境・情報・国際化・AIといったテーマが主流です。そこに登場するのは——
エネルギー、テクノロジー、メディア、コミュニケーション、グローバル、ストレス、バランス……
カタカナ語のオンパレードです。カタカナ語を知らずに、いまの説明文は読めません。
カタカナ語の落とし穴:「聞いたことある」=「わかったつもり」
漢字の難しい言葉は、見た目からして難しそうです。初めて「制定」という言葉に出会ったら、子どもは「読めない」「習ってない」と、自分が知らない言葉だと気づくことができます。気づけるから、調べたり質問したりできる——実はこれ、ありがたいことなんです。
ところがカタカナ語は、見た目がやさしそうなうえに、テレビやYouTubeで毎日耳にしている言葉たち。聞き慣れているから、子どもは「知ってる」と思ってしまう。でも「じゃあ説明して」と言うと——説明できません。
以前、語彙力の記事で「知らない言葉に、知らないと気づくことが第一歩」とお伝えしました。カタカナ語は、この「知らないことに気づけない」の代表なのです。
付き合い方①:「日本語で言うと?」と聞いてみる
カタカナ語がわかっているかどうかは、テストできます。「日本語で言うと何?」と聞くだけです。
- コミュニケーション → 気持ちや考えの伝え合い
- メディア → 情報を伝えるもの(テレビ・新聞・ネットなど)
- バランス → つり合い
言い換えられたら、その言葉は”自分のもの”です。言い換えられなかったら、意味調べのチャンス。ノートに書いて、使える言葉を増やしましょう。もし難しければ、先に意味を言ってあげてください。意味からカタカナ語を考える方法もおすすめです。
付き合い方②:プラスかマイナスか、で整理する
語彙シリーズおなじみの「プラスかマイナスか」は、カタカナ語でも大活躍します。
わかりやすい例が「ポジティブ」と「ネガティブ」。この2つはまさに「プラスの言葉・マイナスの言葉」そのものですね。「ストレス」はマイナス側、「リラックス」はプラス側——イメージの方向がわかるだけで、文章の流れは追えるようになります。
入試の説明文でよく出るカタカナ語
教室でよく出会う「要注意カタカナ語」を、言い換えとセットでいくつか挙げておきます。親子の意味調べの出発点にしてください。
- テーマ……中心となる話題
- イメージ……心の中に思いうかべる姿
- リズム……くり返しの調子
- テクノロジー……科学技術
- グローバル……地球規模の、世界的な
- アイデンティティ……自分らしさ、自分が自分であること(高学年の論説文で頻出)
- ダイバーシティ……多様性
家庭では「カタカナ語禁止ゲーム」
家庭でのおすすめは、ちょっとスリリングな「カタカナ語禁止ゲーム」です。
「夕飯のあいだ、カタカナ語を使ったら負けね」——やってみると、これが難しい。「テレビ」も「ゲーム」も「スマホ」も言えません。「あの、映像が映る機械が…」と、家族みんなが必死に言い換えを始めます。
笑いながら、全員の「言い換え筋肉」が鍛えられる遊びです。ぜひ一度どうぞ。
まとめ
- いまの説明文はカタカナ語だらけ——避けては通れない
- 落とし穴は「聞いたことある=わかったつもり」
- 「日本語で言うと?」で理解度をテストできる
- プラスかマイナスかでイメージの方向をつかむ
- 家庭では「カタカナ語禁止ゲーム」で「言い換え筋肉」を鍛える
まずは今日、お子さんにひとつ聞いてみてください。「『ストレス』って、日本語で言うと?」

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