こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきた国語指導の講師です。主に小学3年生〜6年生を教えています。
以前の記事で、語彙力の増やし方をお伝えしました。今日はその第一歩となる漢字の覚え方です。実は漢字学習は、やり方をひとつ変えるだけで、語彙力まで一緒に伸びる”おいしい”勉強なんです。
漢字が覚えられない子は、「読めていない」
漢字が覚えられない子を見ていると、ほぼ共通したつまずきがあります。
まず、その漢字が読めていません。そして、形を丸暗記しようとしています。
読めない漢字を形だけで覚えるのは、大人にたとえるなら、知らない外国語の文字を”記号”として暗記するようなものです。意味とつながっていないので、正確に覚えられませんし、覚えてもすぐ忘れます。
「何回書いても覚えられない」のは、回数の問題ではなく、順番の問題なのです。
授業で教えている覚え方【4ステップ】
私が授業で教えている手順は、こうです。
ステップ1:例文ごと読んで、意味をつかむ
いきなり書きません。まず例文ごと読んで、その漢字がどんな意味で使われているのかをとらえます。
ステップ2:訓読みを確認し、部首にも注目する
訓読みを確認すると、漢字の意味がぐっとつかみやすくなります。あわせて部首に注目すると、「この部首だから水に関係あるんだな」というように、意味の手がかりが増えます。
ステップ3:ゆっくりでいいので、正しい書き順で正しく書く
ここでやっと書きます。スピードはいりません。ゆっくりでいいので、正しい書き順で、正しく書くこと。雑に10回書くより、ていねいに3回書くほうが、ずっと覚えられます。
ステップ4:自分でチェックテストをする
いくつか書いたら、あとはアウトプットの練習です。自分でチェックテストをやってみる。「見ながら書く」と「思い出して書く」はまったく別の力です。テストで使えるのは後者だけです。
漢字を覚えると、知らない言葉まで読めるようになる
ここが、漢字学習のいちばん”おいしい”ところです。
熟語では、漢字は音読みになることが多いのですが、それぞれの漢字の訓読みを知っていると、熟語の意味がつかみやすくなるのです。
たとえば「消火」。「消(け)す」「火(ひ)」と訓読みが浮かべば、初めて見ても「火を消すことかな」と見当がつきます。
こうして、知らない熟語でも意味がなんとなくわかるようになってきます。これはそのまま、自然な語彙力アップです。漢字学習は、単なる書き取りではなく、語彙を増やす学習なのです。
保護者の方へ:「間違えて覚えない」がいちばん大事
家庭で見ていただきたいポイントは、ひとつだけです。
間違えて覚えないこと。
一度間違えて覚えてしまうと、修正するのにとても時間がかかります。漢字練習ノートを、ときどきでいいのでのぞいてみて、正しく書けているかどうかをチェックしてあげてください。教えなくて大丈夫です。「ここ、お手本と違うみたいだよ」と気づかせてあげるだけで十分です。
毎日15分。漢字は”学習のバロメーター”
漢字の勉強は、ドリルのように習慣化するのがおすすめです。毎日15分など、時間を決めて継続する。
そして、これには漢字の力がつく以上の意味があります。毎日の漢字学習が続いているかどうかは、学習全体のバロメーターになるのです。漢字が毎日できている子は、他の勉強のリズムも整っています。逆に漢字が止まっているときは、学習全体を見直すサインです。
まとめ
- 覚えられない原因は、読めていない+形の丸暗記
- 覚え方は、読む→訓読み・部首→正しい書き順で書く→チェックテストの順番
- 訓読みを知ると、知らない熟語まで読めるようになる(=語彙力アップ)
- 家庭では「間違えて覚えていないか」だけチェック
- 毎日15分の習慣が、学習全体のバロメーターになる
今日の漢字練習から、「書く前に、まず読む」を試してみてください。

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