こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
今日は物語文シリーズの実技編、場面分けのやり方です。長い文章を、短いお話のかたまりに変える技。これができると、読解の見通しが一気によくなります。
長い文章は「かたまり」にすると読める
入試の物語文は、長いものだと何千字にもなります。子どもがひるむのも当然です。
でも、物語は一本のダラダラした話ではありません。いくつかの場面(シーン)が、順番に並んでできています。ドラマや映画を思い出してください。教室の場面、帰り道の場面、家の場面——カメラが切り替わりますよね。物語もまったく同じです。
だから、場面ごとに区切って読む。長い一本の文章が、3つ4つの短いお話に変われば、頭に入りやすくなります。
場面が変わる「3つの合図」
では、どこで区切ればいいのか。合図は3つです。
合図①:時が変わる
「次の日」「放課後」「三年後」「しばらくして」——時間を表す言葉が出てきたら、場面の変わり目の可能性大です。
合図②:場所が変わる
「教室を出て、帰り道を歩いた」「家に着くと」——人物が移動したら、場面が変わります。
合図③:人物が出入りする
「そこへ、父がやってきた」「友だちは、走り去っていった」——登場人物が増えたり減ったりしたら、場面の切りかわりです。
この3つのどれかを見つけたら、そこに線を引く。それだけで場面分けは完成です。
場面が変われば、気持ちも動く
なぜ場面分けが大事なのか。理由は、これまでの記事とつながります。
場面が変われば、たいてい気持ちも動くからです。
気持ちの変化を追う記事で、「変化にはきっかけがある」とお話ししました。そのきっかけの多くは、場面の切りかわりと一緒にやってきます。新しい人物が現れたから、家に帰ったから、次の日になったから——出来事が起きて、気持ちが動く。
だから場面分けは、単なる整理術ではありません。気持ちが動いた場所を見つけるための手がかりなのです。
場面ごとに「一行メモ」
慣れてきたら、場面ごとにメモを取る練習をしてみてください。書くのは一行で十分です。
- 場面1:教室で、友だちとけんかした(→むしゃくしゃ)
- 場面2:帰り道、母に話を聞いてもらった(→少し落ち着く)
- 場面3:次の日、自分から謝った(→すっきり)
この一行メモを縦に並べると——物語のあらすじと、気持ちの流れが、一目で見えるようになります。
「はじめはむしゃくしゃ、最後はすっきり。変わったきっかけは、母に話を聞いてもらったこと」——ほら、気持ちの変化を追う記事でお伝えした3ステップが、そのまま浮かび上がりました。
授業ではこの作業をやっているので、わかるし、とけるのです。
テスト本番では、線だけで十分
「テスト中にメモを書く時間なんてない」——その通りです。本番でやるのは、場面の変わり目に線を1本引くだけ。
これだけでも、傍線部の問題を解くときに大きな差が出ます。「この傍線部は、どの場面の話か」がすぐわかるので、答えを探す範囲がしぼれるのです。長い文章の中を、あてもなくさまよわなくてすみます。
一行メモの練習は家庭で。本番は線だけ。——この使い分けがおすすめです。
家庭では「いくつの場面だった?」
家庭でのおすすめは、音読のあとのこの質問です。
「今のお話、いくつの場面に分けられる?」
「3つ!」と答えたら、「じゃあ、それぞれ何があった?」と続けます。物語を”かたまり”でとらえる感覚は、練習した数だけ育ちます。テレビドラマや映画を見たあとにやってみるのも楽しいですよ。
まとめ
- 長い物語は場面で区切れば短いお話のかたまり
- 変わり目の合図は3つ——時・場所・人物の出入り
- 場面が変われば気持ちも動く——場面分けは気持ちの地図作り
- 家庭練習では場面ごとに一行メモ、本番は線を引くだけ
- 家庭では「いくつの場面だった?」
音読のあと、聞いてみてください。「今のお話、いくつの場面に分けられた?」

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