こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
前回はことわざ・慣用句のお話をしました。実は、ことわざの多くは比喩(ひゆ)——たとえの表現でできています。「猫の手も借りたい」も「豚に真珠」も、本当に猫や豚の話ではありませんよね。
そして、この比喩こそ、入試で繰り返し問われる頻出テーマです。比喩をどう攻略するかが、読解の得点アップの大きなポイントになります。
比喩は「どういうことですか」と必ず聞かれる
物語文でも説明文でも、筆者が比喩を使うのは、いちばん伝えたいイメージを込めるためです。
だから出題者も、そこを聞いてきます。「『氷のような目』とありますが、どういうことですか」——傍線部の説明問題として、比喩は定番中の定番です。
比喩が読めると、文章の理解が深まるだけでなく、設問にそのまま強くなるのです。
まず知っておきたい、比喩の3つの種類
①直喩(ちょくゆ):「まるで」「〜ようだ」がつくたとえ
「まるで氷のような目」「綿あめみたいな雲」——「まるで」「〜ようだ」「〜みたいだ」という目印がつくたとえです。目印があるので、子どもでも見つけやすいタイプです。
②隠喩(いんゆ):目印なしのたとえ
「彼女の目は氷だ」——「ようだ」などの目印をつけずに言い切るたとえです。目印がないぶん、たとえだと気づけない子が多く、ここで差がつきます。
③擬人法(ぎじんほう):人でないものを人にたとえる
「風がささやく」「太陽が笑っている」——人ではないものを、人のように表現するたとえです。物語文の情景描写でよく使われます。
比喩の攻略は3ステップ
比喩の問題は、次の3ステップで考えるよう教えています。
ステップ1:「何を」「何に」たとえているかを見つける
「氷のような目」なら、目を氷にたとえていますね。たとえられているのは目、たとえに使われたのは氷です。まずこのペアをはっきりさせます。
ステップ2:2つの「共通点」を考える
目と氷の共通点は何か——そう、冷たいことです。比喩の意味は、必ずこの共通点の中にあります。
ステップ3:プラスかマイナスか、イメージを判定する
語彙の覚え方と同じです。「氷のような目」は温かい表現でしょうか、冷たい表現でしょうか。マイナスですね。だから「冷たく、感情のない目つき」という意味になる。——ここまで来れば、記述でも選択肢でも戦えます。
家庭でできる「たとえっこゲーム」
比喩の力は、家庭の会話で楽しく鍛えられます。
「今日の空、まるで何みたい?」「このラーメンのスープ、たとえると?」——「まるで〜みたい」を使って、たとえっこをしてみてください。たとえる練習をした子は、たとえを読み取る力も伸びます。
まとめ
- ことわざも文章表現も、比喩だらけ。そして比喩は入試頻出
- 種類は3つ——直喩(まるで〜ようだ)・隠喩(目印なし)・擬人法(人にたとえる)
- 攻略は3ステップ——何を何に→共通点→プラスかマイナスか
- 家庭では「たとえっこゲーム」で楽しく鍛える
ところで——このブログの出発点である「子どもにとって国語の文章は”外国語”」という言葉も、実は比喩です。上手なたとえは、難しいことをすっと理解させてくれる。比喩が読める子は、それだけ深く文章を理解できるのです。

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