こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
語彙力の記事で、「知らない言葉は親子で意味調べ」とお伝えしてきました。今日はその具体的な方法、国語辞典の引き方と親しみ方です。辞書を自分で引ける子は、語彙を”自走で”増やせます。
辞書が引けると、語彙力が自走する
大人に聞けば、意味は一瞬でわかります。スマホで調べても一瞬です。それでも私が紙の辞書をすすめるのには、理由があります。
辞書は、目当ての言葉にたどり着くまでに、他の言葉が目に入るからです。
「知らない言葉に出会うことが語彙力の第一歩」——語彙力の記事でお伝えした通りです。辞書は、開くたびに知らない言葉に出会える、言葉との出会いの宝庫なのです。
引き方の基本①:五十音順のルール
辞書の言葉は、五十音順(あいうえお順)に並んでいます。ここまでは学校で習いますが、つまずきポイントがいくつかあります。
- 2文字目、3文字目で比べる……「あさ」と「あし」なら、2文字目の「さ」と「し」で順番が決まる
- 清音→濁音→半濁音の順……「はら」→「ばら」→「ぱら」の順に並ぶ
- 小さい文字……「ゃ・ゅ・ょ・っ」は大きい「や・ゆ・よ・つ」として考えます
- カタカナののばす音(ー)……「あ・い・う・え・お」に置き換えて探す(「ケーキ」は「けえき」の場所)
このあたりは、実際に引きながら覚えるのがいちばんです。
引き方の基本②:「言い切りの形」で引く
ここが、子どもの最大のつまずきポイントです。
文章に「走った」と出てきても、辞書に「走った」は載っていません。載っているのは言い切りの形「走る」です。「楽しかった」なら「楽しい」で引く。
「辞書に載ってない!」と言う子の多くは、この変換でつまずいています。「言い切りの形にしてから引く」——最初に教えてあげてください。
意味だけでなく「例文」を読む
辞書を引いたら、意味だけ読んで閉じるのはもったいない!
語彙力の記事でお伝えした「文章ごと覚える」を思い出してください。辞書には例文が載っています。例文を音読すれば、その言葉が「どんな場面で使うのか」まで一緒に頭に入ります。意味調べノートに、例文ごと書き写すのもおすすめです。
引いた言葉に「付箋」を貼る
教室でも効果てきめんだった方法が、引いた言葉に付箋を貼ることです。
引けば引くほど、辞書が付箋でモコモコに育っていく。「こんなに調べた!」が目に見えるので、子どもはどんどん引きたくなります。辞書が”自分の努力の記録”に変わるのです。
あわせて、辞書は本棚の奥ではなく、リビングの手の届くところに。「調べたい」と思った3秒後に引ける距離が、習慣を作ります。
辞書選びのポイント
国語辞典は、学年に合ったものを選ぶのが大切です。小学生向けの辞典は、意味の説明そのものが子どもの言葉で書かれていて、オールカラーや大きな字のものもあります。大人用のお下がりだと、説明文の中にまた知らない言葉が出てきて、くじけてしまいがちです。
中学受験を目指すお子さんなら3・4年生と5・6年生で使う辞書を買い替えるのが理想です。
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まとめ
- 紙の辞書は言葉との出会いの宝庫——目当て以外の言葉も目に入る
- 五十音順のルール——清音→濁音→半濁音、のばす音は母音に置き換え
- 言い切りの形にしてから引く(走った→走る)
- 意味だけでなく例文まで読む
- 付箋でモコモコに育てて、リビングに置く
まずは今日、お子さんの「これ何て意味?」を引き出してください。「よし、辞書で一緒に引いてみよう」——その一回が、始まりです。

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