説明文が「長くて、何が書いてあるかわからない」——その原因は、段落の役割が見えていないことかもしれません。
こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
以前、重要語句から要約までの手順をお伝えしました。今日はその一歩手前。段落そのものを、どう見るかというお話です。
物語文で「場面分け」をしたように、説明文では段落で区切って読む。長い文章が、ぐっと読みやすくなります。
段落は「一字下がり」で数える
まず基本から。段落とは、一字下げて書き始めているかたまりのことです。これを形式段落といいます。
説明文の問題では、「第三段落」「④の段落」のように段落番号で聞かれることがよくあります。だから読むときは、段落の切れ目を意識するのがおすすめです。
段落には、それぞれ「役割」がある
ここからが本題です。段落は、全部が同じ重さではありません。それぞれに役割があります。
①話題を出す段落
「〜について考えてみたい」「なぜ〜なのだろうか」——これから何の話をするかを示す段落です。文章のはじめに置かれます。
②具体例の段落
「たとえば」「実際に」で始まる段落。わかりやすくするための例です。
③説明・理由の段落
なぜそう言えるのかを、くわしく説明する段落。データや根拠が出てくることもあります。
④まとめ・主張の段落
「つまり」「このように」「〜べきである」——筆者がいちばん言いたいことが書かれた段落。多くは文章の終わりのほうにあります。
役割がわかると、読むスピードが変わる
なぜ役割を見分けるのか。理由は単純です。全部を同じ力で読む必要がないからです。
説明文はサンドイッチだ、というお話をしました。パン(主張)はじっくり、具(具体例)はさらっと。段落の役割が見えていれば、この読み分けができます。
長い具体例が2ページ続いても、「ここは具の段落だな」とわかっていれば、迷子になりません。どこに力を入れて読むかを決められる——これが、読むのが速い子と遅い子の差です。
段落の最初の一文に注目
役割を見抜く、いちばんかんたんな方法をお伝えします。
段落の一文目を見てください。
そこに接続語があれば、前の段落との関係がそのまま書いてあります。
- 「たとえば〜」で始まる → この段落は具体例
- 「しかし〜」で始まる → 前の段落とは反対のことを言う(筆者の主張が来ることが多い)
- 「つまり〜」で始まる → 前の段落のまとめ
- 「では〜」「それでは〜」で始まる → 話題が次に進む
段落の頭の接続語は、段落と段落をつなぐ道路標識です。ここを見るだけで、文章の骨組みがかなり見えてきます。
意味段落にまとめる
段落の役割がわかったら、次のステップです。内容のまとまりごとに、段落をグループにする。これを意味段落といいます。
やり方はシンプルです。
- 各段落の要点を、一言メモする
- 同じ話をしている段落を、線でくくってグループにする
- グループごとに「ここは何の話か」を確かめる
たとえば、①話題を出す ②③④で具体例 ⑤でまとめ——という文章なら、「はじめ(①)/なか(②③④)/おわり(⑤)」の3つの意味段落にまとめられます。
10段落の文章が、3つのかたまりに見えてくる。これが「長い文章が読める」ということです。
テストでも意味段落は問われる
「①〜⑤段落を、内容のうえで三つに分けなさい」——こういう設問、見たことがありませんか。意味段落を問う問題です。
分け目のヒントは、話題が変わるところ。そして、段落の頭の接続語です。「では」「ところで」で新しい話に移り、「つまり」「このように」でまとめに入る。分け目には、たいてい目印があります。
家庭では「この段落、何のためにある?」
家庭でおすすめなのは、テキストの説明文を開いて、こう聞くことです。
「この段落、何のためにあると思う?」
「例をあげてる」「まとめてる」——役割が言えたら合格です。全部の段落をやる必要はありません。2つ3つで十分。役割を意識する目が育ちます。
慣れてきたら、「この文章、大きく分けると何個に分けられる?」と意味段落にも挑戦してみてください。
まとめ
- 段落は一字下がりで数えると設問が探しやすい
- 段落には役割がある——話題/具体例/説明・理由/まとめ・主張
- 役割がわかると、じっくり読む場所とさらっと読む場所が分かれる
- 役割を見抜くコツは段落の一文目の接続語
- 内容のまとまりでくくったものが意味段落——長い文章が3つ4つのかたまりに変わる
次に説明文を読むとき、まず段落の切れ目を意識してみてください。それだけで、文章の見え方が変わります。

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