お子さんは、間違えた答えを消しゴムで消していませんか。——実はそこに、大事なサインが隠れています。
こんにちは。塾業界で20年以上、中学受験塾の塾長も務めてきたまつもも先生です。
今日は間違い直しのやり方です。地味な作業ですが、同じ時間勉強しても、直し方ひとつで伸び方がまったく変わります。そして、ここには家庭の空気があらわれます。
鉄則①:間違えた答えを、消さない
まず、いちばん大事なルールから。
間違えた答えは、決して消さない。書き換えない。
丸つけをして×がついたら、そのまま残します。消しゴムを使いたくなりますが、使いません。
なぜなら、間違い直しは「間違えたことを認める」ところから始まるからです。自分がどう考えて、どこで間違えたのか。それが見えなければ、直す意味がありません。消した瞬間に、いちばん大事な情報が消えてしまいます。
消してしまう子は、責められている
そして、ここからが本題です。
長年見ていて気づいたことがあります。間違えた答えを、あわてて消して書き換える子。その多くは、家で「なんで間違えたの」と責められています。
間違いを見せたら怒られる。だから、なかったことにする。——消しゴムは、その子の防御です。
もしお子さんが答えを消していたら、叱らないでください。それは、「間違えるのが怖い」というサインです。まずは、家庭の中で間違えても大丈夫だと伝わることが先です。
間違えた問題は、伸びるための問題
子どもに、こう伝えてあげてください。
「間違えた問題は、自分が伸びるための問題だよ」
全部できた問題からは、何も学べません。間違えた問題だけが、「ここを直せば点が上がるよ」と教えてくれているのです。テストやテキストは、できない場所を教えてくれる道具。そう思えたら、×は敵ではなくなります。
そして、もうひとつ大事なこと。
×がついているということは、白紙ではなかったということです。
以前、記述は部分点がもらえるから白紙はもったいない、というお話をしました。書いたから×がついた。それは、チャレンジできた証拠です。
「間違えたな」ではなく、「お、ちゃんと書いたね」——まずそこを認めてあげてください。
鉄則②:赤ペンを、答えの上に重ねて書かない
ここからは、ノートの使い方の話です。
自分が書いた答えの上に、赤ペンで正しい答えを重ねて書く子がいます。これはNGです。
重ねて書くと、こうなります。
- 自分が何と答えたのかが読めなくなる
- 赤と黒が混ざって、あとで見返せない
- ぐちゃぐちゃで、見る気がなくなる
間違い直しは、あとで見返してこそ意味があります。読めないノートは、作った時点で使えません。
正しい答えは、自分の答えの”隣”に書く。これだけで、ノートは一気に使えるものになります。
鉄則③:ノートは、広く使う
そのために大切なのが、ノートを広く使うことです。
すきまなくぎっしり書いてしまうと、直しを書く場所がありません。だから重ねてしまう。——最初から、余白を残して書くことが大事なのです。
- 問題と問題の間を、1行あける
- 答えの右か下に、直しのスペースを空けておく
- ページの左右どちらかを、直し専用にしてもいい
「ノートがもったいない」と思われるかもしれません。でも、ノートは節約するものではなく、使うものです。広く使ったノートは、そのままお子さんの参考書になります。
漢字の記事で「間違えて覚えないよう、ノートをチェックしてあげてください」とお伝えしましたが、そのときも、見やすいノートであることが前提です。
保護者の方へ:「なんで間違えたの?」の代わりに
つい言ってしまう言葉があります。
×「なんで間違えたの?」
——子どもは、答えられません。わかっていたら間違えていないからです。そして「責められた」とだけ記憶に残ります。
代わりに、こう言ってみてください。
○「お、ここの間違い今わかってよかったね」
○「この問題、どう考えたの?」
2つ目が特に効きます。どう考えたかを話させると、子どもは自分で間違いに気づきます。「あ、そっか」——この瞬間が、いちばん力になります。
そして、そのために必要なのが——答えを消さずに残しておくことです。
まとめ
- 間違えた答えは消さない——直しは「認める」ところから始まる
- 消す子は、責められているサイン。叱らず、まず安心させる
- 間違えた問題=伸びるための問題。×は、白紙ではなかった証拠
- 赤ペンで重ねて書かない。正しい答えは隣に
- ノートは広く使う——直しのスペースを最初から空けておく
次の丸つけのとき、まずこの一言を。「よく最後まで書いたね。」——そこから、間違い直しは始まります。

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